2012年10月31日水曜日

模写をする 6




エボーシュの1段階目が終わったら、明部をシルバーホワイトで描き起こしていきます。

















この作業は、原画ではしていませんが、中間色や暗い地塗りをした場合、現在の絵具では、上層の色がなかなか発色してくれません。このように、白の層を置くことで、彩色層の発色がよくなります。 また、抵抗感のある、しっかりとしたマチエールの明部を作ることができます。




















明部から暗部への移行部分は、下層のグレーを利用したオプティッシュグレーで作ります。
























2012年10月24日水曜日

マンドリンのある静物 3


面積の大きい背景とテーブルクロスから、色を決めていきました。

















ヴェルダチオの基本色(今年の7月6日のブログを参照)に、対象に近い色の絵具(カドミウムレッド、コバルトブルー、レモンイエロー、ヴィリジャンなど)を加えて、描き進めていきました。

















全体に色が付いたら、細部の微妙な色相の変化を追っていきます。




2012年10月19日金曜日

模写をする 5

溶剤は、メリメやワッタンの技法書にでてくる乾性油と樹脂と揮発性油の中から選びましたが、作画の際の分量比については記されてないので、ラングレ「油彩画の技術」を参考に調合しました。



原画の制作過程と模写の制作過程の大きな違いは、原画は絵具層が生乾きの状態で塗り重ねていって、短時間でほとんど描いてしまっているのに対し、模写は原画を探りながら合わせいく上に、H君の受講時間が週1回の半日なので、制作が長期間にわたる点です。

そのため、溶剤の濃度の調整や、ルツーセの多用など、原画では行われていない、模写用の制作過程が必要となります。






テール・ド・カッセルと、少量のレッド・オーカーによる、エボーシュの1段階目が終わりました。

2012年10月17日水曜日

マンドリンのある静物 2


デッサンに,かなり時間がかかりましたが、構成を含めたデッサンが十分にできていないと、どんな技法を使っても、良い絵にはなりませんし、途中で飽きてしまうものです。納得のいくまで、デッサンすることが大切です。













転写したデッサンをもとに、テールドカッセルで影をつけた後、シルバーホワイトで明部を、描き起こしていきます。



















いわゆるインプリマチュア(デルナーの「絵画技術体系」参照)を、施した下地の上に、そのまま固有色を塗っても、なかなか綺麗に発色してくれません。 

















白い層を、明部の彩色層の下に置くことによって、発色させやすくなります。また、暗部とのコントラストも明瞭になります。
















2012年10月10日水曜日

マンドリンのある静物画 1

静物画に興味のある方は、誰しも楽器の形の美しさを、描いてみたいと思うのではないでしょうか?静物画が、絵の1つのジャンルとして確立した17世紀頃から、楽器はそのモチーフとして、しばしば登場します。

前回まで、花をテーマに描かれていたEさんは、今回はマンドリンをモチーフとして加えました。その制作過程を紹介します。





モチーフの配置と色の組み合わせを熟考します。

今までEさんは、彩度の低い色合いでまとめることが多かったので、今回はあえて彩度の高い色合いなるように、アドバイスをしました。














マンドリンは、一見シンプルな形に見えますが、よく見ると、直線と曲線が微妙な角度で交わっていて、意外に難しいものです。

 
キャンバスと同じサイズの画用紙に、構図と形が決まるまで、時間をかけてデッサンします。











デッサンができたら、トレーシングペーパーを使って、キャンバス上に転写します。(7月のブログを参照)


キャンバスには、予め褐色で全体に薄く色が引いてあります。










2012年10月3日水曜日

人体デッサン 参考作品 2


裸婦デッサン研究会(6月のブログ参照)で描いた、人体デッサンを紹介します。



キャンソン・ミタント紙(550×370)
 チャコール鉛筆, 白コンテ鉛筆
























キャンソン・ミタント紙(550×370)
 チャコール鉛筆, 白コンテ鉛筆




















四つ切画用紙
 コンテ鉛筆





キャンソン・ミタント紙(550×370)
 チャコール鉛筆, 白コンテ鉛筆