2012年8月1日水曜日

バラを描く 4

Kさんのバラの絵が完成しました。




絵具の素晴らしい発色や筆のタッチが、そのままバラの活き活きとした感じを表しています。


グリーングレーの統一色(ドミナント)に、彩度の高い補色(トニック)の赤いバラが、効果的です。その間を繋ぐ黄色(メディアント)のバラとテーブルクロスが、補色のコントラストを和らげ、長調の曲を聴くような楽しい気分に誘います。



ちょっと残念なのは、赤と黄色のバラが、右側に偏ってしまったことです。最初のセッティングで、もう一つ考慮して欲しかったところです。










バラ F15号


ご自宅の玄関に掛けるために、額の購入を希望されましたので、明るい色調の華やかなバラの絵に合わせて、ボリュームのあるモールデングの金縁をお奨めしました。


絵に合う額縁を選ぶのに、迷われる方は多いと思います。最後は、作者のセンスで決めればよいのですが、その前に額縁の様式と歴史を、少し知っておきたいものです。参考文献を紹介します。

*「額縁の歴史」 クラウス・グリム著 リブロポート発行 1995年
*「画家と額縁」 西宮市大谷記念美術館         1999年





2012年7月27日金曜日

石膏デッサン 参考作品 1

アトリエ ラポルトの講師や受講生が描いた石膏デッサンを紹介します。




石膏デッサン


メジチ

 木炭紙大画用紙 鉛筆 15時間 (講師作品)
























ラボルト

 木炭紙 木炭 8時間 (講師作品)




















石膏デッサン



幾何形体

 A3画用紙 鉛筆 6時間 (受講生作品)
















石膏デッサン




キューピット
 四つ切り画用紙 鉛筆 8時間 (講師作品) 





















2012年7月25日水曜日

バラを描く 3



テーマのバラの彩色を行いました。



















細かい花びらの描写するのではなく、花の「おわん」のような基本形のボリュームがでるように心がけます。絵具の厚みの違いや筆触の方向性の変化によって、花を表現していきます。














細かく描いていませんが、光と影に色彩のデリケートな変化が加わって、非常にリアルに感じます。

2012年7月18日水曜日

バラを描く 2

バラを描いているKさんの制作状況を報告します。


明暗の組み立てが決まったので、いよいよ彩色に入りました。















明るく穏やかな色合いをお好みのKさんには、ナビ派の画家セルジエの提案した色彩方法を参考に、アドバイスいたしました。(セルジエの色彩理論については、昨年8月のブログをご覧下さい。)



古典絵画のような色の塗り重ねによる効果を使わず、直接見た色をパレット上で混色して置いていきます。


















面積が大きく、画面全体を支配する色調(ドミナントカラー)となる背景色から決めていきました。

















2012年7月13日金曜日

模写から始めて 4



モチーフの持つ鮮やかな色の再現は、とても魅力的ですが、画面全体の空間の中に、自然な距離感をもって収めるのは難しいことです。


その点、Sさんが模写から学んだように、下層に、グリザイユで空間がしっかり捉えられていると、楽に描き込んでいけます。













色が沈んできたり、ボリュームが弱くなってきたら、再度白で描き起こしてから色を置いていくと、発色よく仕上げられます。


より現実の色に近づけるために、ヴィリジャン、レモンイエロー(ビスマスイエロー)などをパレットに加えていきます。












完成 (P10号)

細密描写の絵ではありませんが、物の存在感があり、空間を感じる絵になってます。始めて描いた静物画とは思えない出来栄えです。 一般的に模写は、古典絵画のテクニックを学ぶ手段のように考えられがちですが、物の捉え方や見方を知る上でも重要な勉強方法です。 Sさんの作品は、模写を通して、その点をよく学んでこられたことが分かります。










2012年7月6日金曜日

模写から始めて 3



全体に固有色の下色をおいた後、個々のモチーフを描いていきます。

















この段階では、明暗や色の細かい変化より、形のボリュームが出るようにモデリングしていきます。



















使用する絵具は、ヴェルダチオと呼ばれる基本色(イエローオーカー、レッドオーカー、バーミリオン、ランプブラック)に、ウルトラマリン、ガランス、テールドカッセルだけで描き進めていきます。白は、シルバーホワイトを使っています。











2012年7月4日水曜日

模写から始めて 2

静物画に興味のある方は、誰しも楽器の形の美しさを、描いてみたいと思うのではないでしょうか? 静物画が、絵の1つのジャンルとして確立した17世紀頃から、楽器はそのモチーフとして、しばしば登場します。
前回まで、花をテーマに描かれていたEさんは、今回はマンドリンをモチーフとして加えまた。その制作過程を紹介します。





モチーフの配置と色の組み合わせを熟考します。
今までEさんは、彩度の低い色合いでまとめることが多かったので、今回はあえて彩度の高い色合いなるようにアドバイスをしました。


















マンドリンは、一見シンプルな形に見えますが、よく見ると、直線と曲線が微妙な角度で交わっていて、意外に難しいものです。

キャンバスと同じサイズの画用紙に、構図と形が決まるまで、時間をかけてデッサンします。













デッサンができたら、トレーシングペーパーを使って、キャンバス上に転写します。(6月のブログを参照)


キャンバスには、予め褐色で全体に薄く色が引いてあります。