右が原本、左が翻訳本 |
原本が出てから31年たっての翻訳であったが、当時日本にこのような絵に関する辞典はなく、またこれ以降も現在に至るまでの38年間、「絵画材料辞典」より詳しい内容の材料辞典は出版されていない。
この間西洋では、フランスだけでも、簡潔な内容のものから、最新の研究成果を踏まえた詳しい内容のものまで複数出版されている。西洋と日本の絵のおかれている状況の違いを感じざるえない。
1980年以降フランスで出版された「絵画材料辞典」に類する本の一例 |
とはいえ、「絵画材料辞典」は、現在においてもとても貴重な本である。森田氏の翻訳は読みやすく、単なる画材の説明書ではなく、絵の材料をとおしてみる文化史ともいえる内容で、読み物としてもおもしろい辞典である。1999年には再販もされてる。絵を描く人の「座右の書」といえるだろう。
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