アトリエ ラポルトでは、勉強のためにする模写は、下記のことが重要だと考えています。
1.原画の制作過程をできるだけ尊重して行う。
2.そのために、画家や作品の資料をできるだけ集め、構図法や様式、技法などを調べる。
3.画材も、可能な限り原画に近いものを使用する。
4、単に写真のように似せるのが目的ではなく、原画のもつマチエール(絵具の厚み、透明・不透明、筆触など)や、ヴァラー(明度)と色のデリケートな変化(寒色・暖色)や、モデリング方法などを学び取る。
5.原画のヒビや変色などの傷みは模写しない。できるだけ描いた当時の状態を想定して模写をする。
左上:Watin 1755年 右上:Piles 1684年 左下:Bouvier 1832年 左下:Merimee 1830年 |
右は、18~19世紀のフランス絵画の技法書の一例。
ダヴィッドの画集から。
エボーシュ(下描き/粗描き)の状態がよく分かります。
ダヴィッドの技法について、日本で出版された文献の中では、大正14年に出版された石井柏亭編集による「画の科学」に、Moreau-Vauthier “Comment on peint Aujourd'hui” の一部が訳されていて、ダヴィッドの使用絵具についての記述があります。
また、制作方法については、昭和26年に訳されたグーリナの「画家のテクニック」に、短いですが参考になる文章が載っています。
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