どのデッサンもグレーの中間色(キャンソン社製ミタント紙)に、白(チョーク・チャコール鉛筆の白)と黒(木炭・チャコール鉛筆の黒)で描いたものです。
プリュードン |
中間色の紙に黒と白で描く手法は、すでにルネサンス時代からおこなわれていて、明暗法の発達とともにペンや水彩や木炭などさまざまな画材で試みられてきました。人体デッサンにおけるその極みは、プリュードン(Pierre-Paul Prud'hon 1758~1823)のデッサンに見ることができます。
まずは、硬めの木炭(ミズキ)を使って線で形を取ります。この時に、プロポーションと人体の形をできる限り正確に表すように努めます。
その後、現実の陰影を利用して形をモデリングします。
モデルを見ながらの制作では、時間的制約もあるので、興味を惹かれるところから描いていきます。
全体に影をつけた段階ですが、明部との堺を解剖学的に正確な形を表す位置になるように決めています。
男性裸体デッサン 540×380 (20分ポーズ×12回) |
クラシカルなデッサンでは、現象的な陰影の再現よりも、正確で美しい形が明確なボリュームを持って再現することが優先されます。
形体の変わり目の位置やアクセント、ハイライトの位置など、参考にして頂ければと思います。
制作:藤木俊明
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